ニュース 総合TOP ニュース コラム 電気の仕組み 再生可能エネルギー賦課金と燃料調整費の値上げ 2022.02.07 電気の仕組み 再生可能エネルギー賦課金と燃料調整費の値上げ この2つのグラフ推移は今後の電気料金が必然的に値上げしていく事を示唆している。どちらのグラフも負の右肩上がりである。 企業も一般家庭も含め、皆さんが毎月支払っている電気料金には、基本料金と従量料金のほか、再生可能エネルギー賦課金と燃料調整費がある。 皆さんが気が付かないうちに電気料金は継続的にステルス値上げしている。基本料・従量料金は変わらず、分かりずらい再エネ賦課金・燃調費だけが値上げしているからだ。 過去10年間のFIT(固定価格買取制度)の失敗と言えば、乱開発による森林破壊と毎年値上げされている再エネ賦課金かもしれない。 FIT制度は再エネ普及支援策として2012年から開始、再エネ電力を固定価格(太陽光は2012年申請40円/kwh)で各電力会社が20年間固定買取する制度である。各電力会社の総合仕入コスト10円/kwh前後(回避可能原価)に対して、買取単価40円/kwhなら差額の30円は日本全国、全ての電力利用者から徴収した再エネ賦課金から補填され、発電事業者へ20年間40円/kwh(2021年申請11円/kwh)を支払い続ける制度になっている。 国民負担が毎年増え続けないように、買取単価は毎年下がり続けているが、太陽光は毎年増え続けている。2012年買取開始から20年後の2032年をピークに最大4.70円/kwhまで再エネ賦課金の値上げは収まらない。ほぼ決定事項である。2021年度では3.36円/kwh、おそらく2022年4月からも値上げが予測される。 燃料調整費に関しては、東京電力エリアだけでも1年間で6.7円/kWh以上の爆上げがあり、コラム(電気の仕組み 電気料金高騰はなぜ起こったか?)の通り、今後も世界的に再エネ普及拡大を続ける限り、気候変動による化石燃料の需給変化で値上げは続くだろう。 ここで過去10年間の失敗に話を戻そう。森林破壊になる山を切り開いてまでの太陽光の大規模開発はもう無いだろう。中規模以上のFIT申請は2017年度以降、入札制度に変更され落札価格は現在10円前後を推移している。もはや山を切り開くまでの造成費用は捻出できない。 再エネ賦課金は国民負担というネガティブなイメージも強いが、固定買取制度のおかげで太陽光は10年間、普及拡大と技術革新、価格破壊を繰り返し、電気代よりも安価な発電設備になった。 そしてCO2排出量削減にも大きく貢献しているのであれば、再エネ賦課金は国民にとって日本のミライへの投資なのではないだろうか? 出典:資源エネルギー庁 固定買取制度の仕組み 新電力ネット 燃料調整費の推移 導入費用のお問合せはこちら 一覧に戻る